毎年、独立行政法人がIT業界について実態調査をしています。それによれば、ITエンジニアの人口はおよそ80万人です。これは、アメリカや中国のエンジニア数に比べれば比較的少ない数字になります。アメリカや中国は、300万人を超えるエンジニアを抱えています。それに比べると三分の一以下ですから、この少なさは問題です。今後日本がIT技術立国を目指すに当たって、ネックになる可能性もあります。
ただ、この調査は会社を中心にして行われているもので、個人事業主まで含んでいるかは不透明です。完全に一人で誰にも知られずに業務を行うことも現在では可能です。自分一人で自己投資をして、ゲームアプリやビジネスツールを作り、それを販売するスタイルも流行しているからです。こうした人たちの数を正確に把握することは基本的には不可能でしょう。そのため、個人事業主を含めれば多少なりとも人口はアップすることが予想されます。アメリカや中国は日本よりも人口が多いことを考えれば、率としては案外悪くないのかもしれません。
しかしやはり絶対数の多さは武器になります。今後は、技術者の人口を増やしていく工夫が日本には求められています。政府は義務教育のカリキュラムを見直し、小学校の段階からプログラミングに慣れさせようとしています。学校で簡単なプログラミングを教え、技術者への道もあると指導をし始めているのです。こうした教育の効果が出れば、人口はさらに増えることでしょう。